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散文:離れていく人

僕の持病は良くなっても服薬をやめると再発しやすいらしく、いまの医学では僕はずっと薬を飲み続けなければならない。

正直、そんなことはどうでもいい。

だって、僕が病気を発症したのは17歳の頃で、そろそろ26歳になろうとしている。もはや服薬や通院は習慣みたいなもんだ。「完治」という言葉が見えてこないのは悲しい気もするけどね。

病気がきっかけで、離れていく人がいる。

僕の症状が激しかったころに離れていった人、精神障害を持っているという事実を聞いただけで離れていった人、いろんな人がいた。

「去る者、追わず」の精神でいれば楽だろうが、残念ながら僕の心は我ながらかなり繊細だ。

離れていく人がいる。

そのたび、僕は泣く。誰にも見られないところで号泣する。恨んで憎むのはひたすら自分だ。

泣いたらすっきりする。

離れていった人とはいい思い出もある。きっとその人には、もういい思い出ではないと考えると、これまた悲しい気もするが。

症状が出て、それに驚いて離れていくのはもう仕方ないけど、病名を告げただけで避けられるのには疲れた。

だからこうして僕は病気であることを公表しながら音楽活動をしている。
別に、病気の啓発活動をしようとかそういう意思はない。

僕なりに、離れていく人に言いたいこともある。僕には闘病の意志があるということだ。

精神障害は「付き合っていくもの」と表現されるけど、なんかそれだと病気に人生を操られている感じがして嫌だ。

だから僕は「闘病している」という表現を使うことにしている。勝ち負けではないけど、少なくとも症状を改善させようという意志が僕にはある。

それでも離れていく人がいる。

僕の心はもう強くはなれない。また泣くだろう。また号泣するだろう。

そしたら、新しい音楽をつくろう。新しい場所に行こう。新しい人と話そう。

僕の心はもう強くはなれない。

それならいっそのこと、永遠に繊細で優しい心でありたい。


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